<スタッフ紹介>

        北川学芸員とその助手

    

 

  

 

 

時代衣装の構成と使われた技術についてわかりやすくご説明します。素人撮影のため見辛い箇所があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

ご質問・ご要望はまで。

 

 

インターネットミニ染織講座

衣装復元制作・江戸時代初期2号(下絵)

7.下絵

下絵の作業です。この作業を行って下さるのは京繍すぎしたの後藤亜衣子さん。今回は若手育成・技術継承の見地から、伝統工芸士・杉下晃造さんの指導で、若い職人さんに作業を行っていただきます。
まず新衣装の生地は反物から一旦仮絵羽に仕立てられます。これは下絵を描くときに合い口(身頃や生地の繋ぎ目)に誤差なく柄が繋がるようにするためです。旧衣装の柄を紙に写し、この紙を仮絵羽の下に敷き、下からライトを当て、生地に写った線や柄を青花液を含ませた筆で描いていきます。ここで使用されるのは人工青花液。とても細い穂先の筆は、京都・大原の中津筆工房で作られたものです。筆を手作りする店は、今や京都でも少なくなりました。将来良質な筆の入手に困る時がくるだろうと杉下さんは嘆いておられました。


では下絵の作業です。旧衣装の柄を全て紙に写し、紙の上に仮絵羽を置いて柄を写していきます。

 

 机(ガラス)の下からライトを当てる    筆で下絵を描いていく
滲みを防ぐため青花液の量を調整     根気よく丁寧に描く

 

旧衣装の柄すべてを紙に写し、それを更に生地に描いていくという根気の要る作業ですが、青花液は量を含ませると滲みやすいため、何度も穂先を整えて量を調整しながら慎重に作業を進めていきます。

 

       旧衣装の柄       新衣装の下絵

 

 

動画でみてみましょう。


 

  

生地に柄を描く下絵の作業ですが、旧衣装から生地に至るまでにかかった歳月をお聞きしたところ「今日で何か月目でしょう。ちょっと正確には覚えていませんね」と後藤さん。スピード重視のまさにデジタル時代を生きる若者ですが、時間をかけて丁寧に仕上げていく根気の要るこの作業は、むしろご自身の性に合っているのだそうです。ベテランの伝統工芸士に教えられながら、しっかりと技術を身に着けていかれるその姿に、技術継承の重要性を改めて感じることができました。

 
   青花液と筆は下絵の必需品

この日の工程は、

→旧衣装の柄を紙に写す
→紙に写した柄を生地に描いていく
→青花液の量を調整しながら、滲まないように描いていく
→完了


次は手描染めの作業です。

 

 

 

 

 

 
 
京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地
京都経済センター6F