<スタッフ紹介>

        北川学芸員とその助手

    

 

  

 

 

時代衣装の構成と使われた技術についてわかりやすくご説明します。素人撮影のため見辛い箇所があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

ご質問・ご要望はまで。

 

 

インターネットミニ染織講座

衣装復元制作・室町時代9号(辻が花〜描き画〜)

7.辻が花

室町5号と同様、辻が花の作業です。今回この工程を行って下さるのは伝統工芸士の佐々木毅知さんです。佐々木さんには辻が花の描き画の工程を見せて頂きます。彩色の工程は室町5号をご参考下さい。


描き画に必要な道具は墨と筆です。筆は面相筆という絵画に使う筆を使用します。模様によって使い分けるため、太いものから細いものまで様々用意します。筆に使われる毛は鹿やイタチの毛。筆毛の硬さやコシが描きやすさを左右します。

 

筆と硯 墨を擦って作業開始
縫い締め絞りに模様を入れる 旧衣装の模様を見ながら描く


実はこの時期、作業スケジュールに大幅な遅れが生じており、佐々木さんには数日で仕上げてもらう無茶な依頼を行っていました。そのため作業に集中したいということから、撮影隊による衣装の工程撮影は出来ませんでした。上記の画像は佐々木さんから送って頂いたものです。
後日別の生地を使い、描き画の制作工程を見せて頂きました。

では動画で見てみましょう。

   

 

 

筆で模様の輪郭や細部を描き、更に墨を薄めて輪郭に陰影をつけて模様を引き立たせます。筆一本で模様を描くシンプルな作業ですが、習字の経験がある方ならお分かり頂けると思いますが、線の太さを保ちながら筆を引いていくのは難しいことです。しかも生地には細かな凹凸や歪みがあるため筆が滑らず、線を引くことさえ容易ではないように感じます。お父様のやり方を見ながら仕事を覚えたという佐々木さんはまだ50代。辻が花の継承を次代に引き継ぐ重要な役割を担っています。

 

 

 
描き画にとって墨は重要な染液

 

この日の工程は

→墨をつけた筆で模様を描いていく
→墨を薄めて模様に重ね、陰影をつける
→完成


いよいよ完成です。

 

 

 

 

 

 
 
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