コラム
染織祭の物語
■第1回 染織祭を知っていますか?
染織祭という祭りをご存じでしょうか?
現在の京都で三大祭といえば、葵祭・祇園祭・時代祭ですが、もう一つ、染織祭を加え、四大祭の時代がありました。今から80年以上前、昭和の戦争が始まる前のお話をこれから始めます。
第1回の染織祭は昭和6年(1931)4月に開催されました。
やがて、第3回目には京都の8花街の芸妓たちが、古墳〜江戸の時代風俗衣装に身を包んだ行列も加わり、大変、華やかな祭りとなっていきました。現在の三大祭にも匹敵する規模で、(公社)京都染織文化協会がその衣装を今も大切に保管しています。
各時代の衣装行列というと時代祭を思い浮かべられた方が多いでしょうか。時代祭の女性版を想像していただくといいかもしれません。ただ、戦前の三大祭では斎王代が話題になる葵祭にも和宮や紫式部が映える時代祭にも女性の行列はなく、祇園祭においては女性が山鉾に上がることすらできませんでした。
戦前に女性が主役となった祭りがあったでしょうか。誰が、なぜ、祭りを創設したのか? どんな祭りだったのか? 次回からお答えしてきましょう。
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