コラム
染織祭の物語
■第4回 さまざまな分野から研究される染織祭A
─歴史学からのアプローチ
前回みたように染織祭は服装史・染織史から「衣装」、都市民俗学から「祭り」についての研究があります。しかし、なぜ染織祭が創設されたのか、だれが祭りの中心となって費用を負担したのか、いつまで続いたのか、多くのことが不明なままでした。
歴史を専門とする私は、まず、染織祭が昭和6年に創設された点が気になりました。当時は昭和恐慌の渦中で、昔は教科書に東北の農村の子どもたちが大根をかじる姿や娘身売りの写真が載っていたように、大変、経済が厳しい時代でした。ただ、近年は大衆消費社会が登場する側面も注目されています。
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