<スタッフ紹介>

        北川学芸員とその助手

    

 

  

 

 

時代衣装の構成と使われた技術についてわかりやすくご説明します。素人撮影のため見辛い箇所があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

ご質問・ご要望はまで。

 

 

インターネットミニ染織講座

衣装復元制作・江戸時代初期2号(地入れ・引染め)

6.地入れ(引染め)

生地全体を染める地染めの作業を行っていきます。染色にはいくつか方法がありますが、今回は引染めで染めていきます。この工程を行って下さるのは大前引染店の大前さんです。平成26年度には、奈良時代の紕帯復元でご協力頂きました。


では引染めの作業です。まず準備作業として反物の端を伸子で支え、生地を引き伸ばして張るように広げて刷毛で染めやすい環境を整えていきます。

 

  伸子張りで生地のたるみを防ぐ

 

染料を定着させるため、最初に布糊(ふのり)を生地に塗布していきます。刷毛で生地全体にまんべんなく引いていき、生地の裏にもしっかりと浸透させ、同時に生地の下にヒーターを当てて、水分を飛ばしていきます。

 

    刷毛で布糊を引いていく

動画でみてみましょう。


 

次は染色です。調合した染料液を刷毛に含ませて一気に生地を染めていき、何度も刷毛を引きながら染料液をしっかりと染み込ませます。
引き染めの利点は広い面積を染色できることですが、気象条件や生地により染料にムラが生じやすいため、豊富な知識と熟練した技が必要な大変難しい技術です。

 

    染料を刷毛で生地に引く

動画で見てみましょう。

 

反物1反の長さは約13m。引染めは生地を等間隔に伸子で張っていく作業から始まり、布糊の配合、見本色に合せた染料の調整を経て、刷毛によって生地を染めていく手間のかかる作業です。生地に色をのせていくには織物の種類や生地の厚みも計算に入れ、刷毛を重ねる回数を決めていきます。引染めに欠かせない道具といえば何といっても刷毛ですが、近年刷毛を作る職人も減ってきているといいます。未来に技術を伝えていくためには、道具の作り手の継承も大変重要な課題で、せっかく卓越した職人さんが居られても安定した道具の供給なしでは技術継承が困難になることを改めて学ぶ機会となりました。

 
   染色に欠かせない道具たち

この日の工程は、

→生地を伸子で張る
→生地に布糊を引いていき、ヒーターで乾かしていく
→刷毛で色を引いていく。
→完了


次は下絵の作業です。

 

 

 

 

 

 
 
京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地
京都経済センター6F