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インターネットミニ染織講座

衣装復元制作プロジェクト(桃山時代4号)

 

■紅綸子地雲取蔦亀甲笹松七宝文様打掛(桃山時代4号)

桃山時代4号「紅綸子地雲取蔦亀甲笹松七宝文様打掛」は、当時の風俗屏風図や肖像画の他、伝存する能衣装や小袖を参考に制作されています。染織祭衣装8時代の中でもこの時代の衣装は最も豪華絢爛なもので、高度な技術力が余すところなく発揮されています。この衣装は紋綸子の生地を朱色に染め、白の雲取を絞り、朱地全体に蔦文様の摺箔を施し、白地に亀甲、七宝、花菱の刺繍と摺箔、また唐松、桜、雪持笹などを彩糸や金糸で縫い、裾には春草の刺繍が施されています。
制作から90年近くが経過した衣装は、生地の劣化により衣装全体に施された装飾の自重に耐え切れず破れが激しく、衣装を動かすとどこからか裂が落ちてくる状態です。現在貸付は行っておらず、当協会主催展覧会に限定して平置きでの展示を行っています。

 

 

 

 

衣装の状況           

衣装実物は、生地の劣化により、ところどころに破れが生じています。補修を行っても美観を損ねるだけでなく、衣装全体に施されている装飾の自重により再発する恐れがあります。


摺箔の影響による生地劣化 刺繍の影響による生地劣化
 

 

1.生地選定

この衣装に使われている生地は紗綾型に花文様の入った紋綸子です。綸子は現在も生産されているため、柄が実物にほぼ近いものを選定しました.


 

2.仮絵羽仕立て

生地決定後、衣装の詳細寸法を計測して仮絵羽に仕立てます。
この仮絵羽に下絵を施し、装飾工程に移ります。

次は下絵の工程です。 


 
 
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