インターネットミニ染織講座
紕帯のできるまで(紕帯レプリカ完成)
生地を紕帯の形状にする<仕立て>からの続きです。
2013年6月より取り組みを始めた紕帯レプリカ制作は、約10ヶ月の歳月をかけて2014年3月に完成しました。
レプリカ(左)オリジナル(右) |
【拡大】レプリカ(左)オリジナル(右) |
【柄】レプリカ |
【柄】オリジナル |
【生地拡大】レプリカ |
【生地拡大】オリジナル |
オリジナルに比べレプリカは生地に若干厚みがあり、しっかりとした感触。オリジナルは経年劣化の影響や昭和初期の糸の良さがあらわれているのか、かさが低く、非常に軟らかです。
刺繍はほとんどオリジナルと遜色ありませんが、オリジナルは経年劣化で刺繍糸の色が褪せつつあります。
オリジナルには時の流れの中での独特の味わいがあり、経年劣化が逆に重厚感をあらわしているような雰囲気がありますが、今後オリジナルにかわりレプリカがその役目を引き継ぎ、形あるものの宿命である経年劣化の影響を受けながら、独特の味わいをもった紕帯へと変化を遂げていくでしょう。
レプリカは今後美術館等への衣装貸付や当協会セミナーでの展示など、オリジナルの代わりとして次代に繋げて利用していきます。ぜひ機会がありましたらこの制作工程を思い出しながらレプリカの実物をご覧いただければ幸甚です。
<紕帯レプリカ制作を終えて>
オリジナルが制作された昭和6年(1931年)から、ゆうに83年の歳月を経て今回レプリカ制作に取り組みました。
|