<スタッフ紹介>

        北川学芸員とその助手

    

 

  

 

 

時代衣装の構成と使われた技術についてわかりやすくご説明します。素人撮影のため見辛い箇所があるかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

ご質問・ご要望はまで。

 

 

インターネットミニ染織講座

衣装復元制作・江戸時代初期2号(整経)

4.整経

引き続き川八工場にて整経の作業を見ていきます。衣装に使う経糸は27中の糸3本が合わさった糸を使用するため、3個の巻き枠(ボビン)から糸を集約し1本の糸にして使います。120本分の糸のボビン360個を並べ、一本一本整経機の筬(おさ)に通し、120本を集約します。

 

    360個のボビンを並べる

筬に通された糸は、更に前筬に通されて密度を揃えて整経機にセットされ、ドラムの回転により巻き取られていきます。ドラムには1〜20番までの番号が振ってあり、番号と番号の間の距離は25p。1回転は25p×20番=500p巻き取ったことになり、ドラムが何回転したかは右にある針でカウントされていきます。今回は3反注文したので、19回転する計算です。
巻き終わった経糸はビームという円柱の巻芯に巻き直され、織機にセットされて経糸を継ぐ作業が行われます。

 

        整経機    巻き枠を整経機の前に並べる
     糸を集約して筬に通し      更に前筬に集約させる
 ドラム左手の番号は距離を測るため     針で回転数などをカウント
                整経機の後ろ側
 巻いた糸はビームに巻き変える    経糸が巻かれたビーム

 

   


動画で見てみましょう。

 

 

 

120本分の糸が整経機に集められ、整列して巻き取られる様子は圧巻でした。整経機が動く時には常に職人さんが糸に手を添え、糸切れや絡みなどの問題がないかを手の感覚によって察知しておられました。工場内は他にも沢山の機械が稼働し、機械の音で会話もままならない環境ですが、視覚や手の感覚を使って黙々と作業を進めておられる姿を拝見し、職人さんの粘り強さに触れることができました。

  120本分の糸が並ぶ迫力ある光景
 

 


この日の工程は、

→120本分の糸のボビンを並べる
→全ての糸を筬、前筬に通す
→整経機のドラムを回転させ、巻き取る
→ビームに巻き移し完了


次は機織りの作業です。

 

 

 

 

 

 
 
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