辻が花染　　つじがはなぞめ

室町時代後期に用いられ安土桃山時代に確立した染色技法。この時代における辻が花染は主に麻地の絞染・模様染した夏の帷子（かたびら）の名称であり、町衆が着る庶民的な衣のことであった。現代に伝えられる辻が花染は練貫や半練の絹の白生地に、麻の諸撚糸（もろよりいと）で模様の縁を縫って、帽子絞など数種類の絞り技法で染め分け、これに摺り箔などの金加工、刺繍、墨描絵、色挿し等で加飾する豪奢なものであるが、この時代では特別な名称はなく、後になって「辻が花染」と呼ばれるようになったという説が有力とされている。辻が花染は謎が多く残された技法としても有名で、元祖の辻が花染は安土桃山時代まで発展してきたにも関わらず江戸時代初期には忽然と姿を消して継承が途絶えてしまっており、なぜ継承されなかったのか、なぜ現代の辻が花染がそのように呼ばれ始めたのか、学識研究者の間では今も議論が交わされている。

◆辻が花染はこのような染織衣装につかわれています◆　※クリックで各衣装のページにジャンプします。

段替雪輪松花綱文様小袖	松皮菱団扇波文様小袖	石畳取草花文様小袖

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